耳なり
「耳なり」の漢方的な考え方は、「耳に栄養が行かない(気血が巡らない)」と考えます。 この原因を大きく分けると、「虚」と「実」によるものが有ります。
身体には十分な栄養(気血)が有るのに、それを運搬するための通路(経絡)が何ものかに邪魔をされ、目的の所へ運べない場合があります。これが「実」の耳なりです。 また、身体に気血が不足していて、運びたくても運ぶ事が出来る気血が無いと場合もあります。これが「虚」の耳なりです。
「実」の耳なり
風邪をひいた後や、ストレスが生じた時に突如として発生することが多いようです。 「実」の耳なりは、大きな音の耳なりや耳閉感が多く、突発性難聴など伴うこともあります。 原因としては、「風熱」「風寒化熱」「肝火」があります。
「虚」の耳なり
中高年や閉経後の女性に多いようです。「肝腎」が虚すことで発生し易くなります。大きな音の耳なりも有りますが、多くは小さな音の耳なりです。 騒がしい日中などには忘れている事もありますが、周りが静かな所や寝る頃になると耳なりが気になります。 原因としては、「肝腎陰虚」や「心腎不交」があります。 少ないですが、「清気不昇」と言い「脾虚(消化器系のエネルギー不足)」が原因の耳なりもあります。「虚」の耳鳴りは治療に時間がかかります。
耳なりの治療でよく使われる漢方薬
- 柴胡加竜骨牡蠣湯
- 銀翹散
- 知柏地黄丸
- 八味地黄丸
- 鹿茸大補湯
- 加味逍遙散
- 天王補心丸
実際の治療には、体質によりこれらの漢方薬や、他の漢方薬を合わせて使用します。 当店で取扱をいたしております漢方薬は全て医薬品です