味のバランス。考えたことが有りますか?

通常、食べ物のバランスを考える時は、糖質・脂質・蛋白質など栄養の事が中心になります。もちろん、これは大切な事ですが、健康保持のためには、味のバランスも大切な事なのです。

味と内臓の働き
天然の食物には、それぞれ固有の「味」がありますが、その味覚は、酸・苦・甘・辛・鹹
の5つです。

下図を見てみましょう。 これは5つの味がそれぞれの臓器に働くことを表したものです。

薬味・薬性表 転載禁止

★ 酸(すっぱい)は 肝、胆のう、眼、筋肉
★ 苦(にがい)は 心、小腸、舌、血脈
★ 甘(あまい)は 脾、胃、口唇、肌肉
★ 辛(からい)は 肺、大腸、鼻、皮毛
★ 鹹(しょっぱい)は 腎、膀胱、耳、骨髄
寒・温も考えましょう
また、食物には身体を温めるものと冷やすもの、どちらの作用も無いもの、少しだけ温めたり冷やしたりするものがあります。
体質によってそれぞれの食物をバランスよく食べるように心がけましょう。


例えば、胃熱が原因で口臭が出ている人が、「甘温」のところにある食べ物ばかり食べていると、ますます胃熱を悪化させます。なぜなら「甘」は脾胃と言うことですから、「甘温」は脾胃を温める食べ物と言うことになります。
また、風邪をこじらせて夜中に咳が出て寝られない人がニンニクを沢山食べたりすると、ますます咳がひどくなります。これは「ニンニク」が「辛温」と言うところに分類される食べ物だからです。「辛」は肺ですから、「辛温」は肺を温める事になります。
このように、日頃は何気なく使っている食材でも、それぞれに個性を持っています。中でも個性の強い食材?が、薬草になるわけです。「医食同源」はここから来ています。
ですから、テレビや雑誌で「○○が健康に良い」って言われ、その食材ばかり摂取するのは、却って身体のバランスを崩すだけです。
「トマトにはリコピンが含まれていて身体に良い」っていわれていますよね。と言って冷え性の人がトマトばかり食べていると、どんどん身体が冷えます。嘘だと思われるのでしたら、試して見て下さい。(試された結果の責任は負いません)個性の弱い食材ならまだしも個性の強い食材を大量に摂取すれば、薬をを飲んでいるのと同じになります。その時、身体のバランスを取る方向へ働けば「良くなった」と言う方も出てくるでしょう。しかし、バランスを崩す方向へ動けばますます悪化することになります。だから、「効く人も」いれば「全く効かない人」「ひどくなった人」も出てくるのです。


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